着物を売るタイミングっていつ？季節は関係あるの？

お祝いごとやイベントのために贅沢して買った着物であったとしても、その後の環境の変化のどによって売りたいと思うようになることもしばしばあります。

そのとき気を付けたいのは着物の品質などももちろんそうなのですが、買取をしてもらうタイミングです。この事柄について解説を行っていきます。

華やかな着物は12～1月の冬季節が適切

華やかな装飾や色づかいが施されている着物は、年配の方だけではなく若い方に人気があるものです。そのため、買取額も他のものと比べて高くなる傾向があります。(上質な素材や著名な職人によって手がけられているのであればなおさらです)

そのように高値が期待できるのであれば、より効果が見込める時期に売りたいもの。こうした着物の買取価格が上昇する季節は、おおむね12月が1月ごろです。

その理由として、新年や成人式といったイベントの存在が挙げられます。めでたい祝い事の際に着物を着ていくというのは、着物離れが進んだ現代日本であっても受け継がれている習慣のひとつです。しかし、一方でわざわざ限定的なイベントのためだけに高い着物を買うのは大変という方々も少なからずおり、そういった人々によって中古着物の市場が賑わうのです。

その時期は、中古の着物、とくに祝いごとにふさわしい華やかなものの需要がとくに高まる時期です。そのタイミングを狙えば、できる限り高い価格で着物を売却することができるでしょう。

派手な着物はクリスマス前にも高く売れる

いわゆる「現代着物」とでも言うべき、とても派手な装飾を施した着物も最近登場しています。たとえば「洋風紋」などのような、和風でないデコレーションが施されたものです。これらの着物はあまりにもデザインが個性的すぎて、たとえ高級な素材が使われていたとしても一般的な着物のように祝いごとの場では使いづらく、ものによっては買取価格が伸び悩むこともあります。

しかし、そうしたユニークなデザイン性がウリの着物であったとしても、価格の上昇が見込める季節があります。それが、クリスマス前です。海外からやってきたクリスマスというイベントはとても華やかなもので、日本古来の伝統行事である正月などとは一線を画しています。そのため、華やかさというより派手といった方がよいデザインの着物であったとしても浮いてしまわないどころか、案外マッチしてしまうことが少なからずあるのです。

そうした状況を理解し、クリスマスまでにユニークなデザインの着物を求める方が増えるため、クリスマス前に需要が上昇し、買取価格が高くなる可能性があります。意外と見落とし勝ちですが、狙ってみるのもよいでしょう。

これは半分余談になりますが、最近は「クリスマス着物」といったような、特定の現代的なイベントに的を絞ったような着物も取り扱われるようになりました。そうしたものがもしご自宅の箪笥に眠っているのであれば、この時期に売却してみるのもよいでしょう。

いわゆる「浴衣」は夏季節の前に

最近はがっしりとしたような着物だけではなく、比較的すっきりとした浴衣なども買取の対象として取引されるようになりました。一般的に用いられている材質などの事情から、着物ほど高い価格がつくことはあまりないように言われていますが、これも季節によって多少価格が変動するようになっているのです。

浴衣の場合、7月8月のサマーシーズンに買取価格が上昇する傾向があります。これは、花火大会やお祭りなど夏に開催されるイベントに、見映えや快適性などの理由から浴衣をセレクトをする方が多いからです。事実、肌にべったりとはりつかず、風通しのよい浴衣は暑い夏の日にとても気持ちがよく、若い人の間でも支持されており、一定の需要があります。

卒業式、入学式シーズンを見逃さない

女性用の着物がよく売れるシーズンとしては、2月や3月、4月などがあります。これは、卒業式や入学式といったような子どもの門出に関するイベントと大きく関係しているのです。

卒業式、そして入学式にはスーツを着ておめかしをするという方も少なくありません。しかしその一方では「お祝いごとには着物」という考えの方もたくさんおられ、とくに自分の子どもが関連する行事であるため、多少奮発してでも着物を調達したいという考えなのです。

このシーズンには、子どもの新しい第一歩にふさわしい、明るく希望を感じさせるような着物が買い取られやすくなります。高級素材が使われているものだけではなく、比較的リーズナブルなものの価格上昇も期待できるでしょう。その反面、いかんせん地味さを拭えないもの、いかんせん派手すぎて品性を欠いてしまうとみなされやすいものは、それほど価格上昇が期待できません。

着物の買取価格というのは皆さんが思われている以上に変動しやすいものです。箪笥にずっとしまったまま劣化を待つよりは、適切な季節に査定を行ってもらった方がよいと言えるでしょう。