着物の処分におすすめの委託販売業者5選を一覧表にしてみました
いかがでしたか?わたしが選んだ「着物の処分を検討中の方におすすめの、委託販売・買取業者5選」。どの業者も着物を処分するユーザーに配慮したサービスを提供している業者ばかりです。
ここまで、おすすめの着物の委託販売・買取業者をご紹介してまいりましたが、情報を簡潔にまとめて一覧にしてみたので、おさらいしてみましょう。
それぞれ良心的な委託販売・買取業者で、再販にも力を入れている業者ばかりなので、特徴などをしっかり把握して存分に検討してみてください。
わたしのおすすめを厳選したので、どれも魅力的だと思うのですがいかがでしょうか。一覧にすると細かい違いなどが見やすくなり、より比較しやすいかと思います。
やはり注目すべきは委託と買取の違いや特徴といったところでしょう。また、おすすめの着物の委託販売・買取業者として、着物専門の査定担当者がいることは大前提ですが、そのしくみや取扱品目にも違いが見えるので、自分の希望や理想にあった委託販売・買取業者を見つけていただければと思います。
着物が眠ったままになっていませんか?
わたしの母、祖母のように、それなりに良い着物を持っているひとほど「たんすのこやし」にしてしまっているもの。着物は洋服のような早いサイクルでの流行りすたりはありませんが、やはり時代や年齢の経過と共に着られなくなるものが増えてきます。
良い着物だからこそ「どなたかに着てもらおう」と思ってさがすのですが、いまは着物を着る方が少なく、しかも保管するスペースが少ないため、もらい手がなかなか見つからないからです。なまじ良い着物であるために捨てる決心も着きません。
気が付くと何年も何十年もそのまんま。着もしない着物のために、保管スペースは占領され、虫干しなどの手間がつねにかかってきます。あなたやあなたのご実家もそうなってはいませんか?
一方でいまは亡くなられてもう新作が手に入らない作家物の着物や、いまは失われてしまった「むかしの職人の手仕事」を求め、古い良質な着物をさがしている方もおられます。また、良い着物を新品よりお手頃に買いたいと考える方もいます。
そんな両者を結びつけるのが着物買取・委託販売業者です。とりわけ委託販売であれば、業者との相談で納得のいく金額での買取が期待できるので、ぜひご利用いただければと思います。
着物を売るときに多くの方が気にしていることとは?
これまで着物の委託販売や買取業者を紹介してきましたが、実際のところ皆さんが着物を売るときに、どのようなことを気にしているのか気になりませんか?そこで、私が独自でアンケート調査を行い、みなさんがどのようなことを気にしているのかを調べてみました。
まず初めに行ったアンケートは「不要な着物を持っているか」です。これに対する回答は「はい」が22%、「いいえ」が78%と不要な着物を持っていない方が圧倒的に多い結果となりました。
私は習い事で着物を使っているため、着物を多く所有していますが、これは珍しいことなのかもしれません。確かに、現代では着物を着る機会があまりなく、もし着るときにはレンタルする方がほとんどだと思うので、この結果は当然のような気もしますね。
そして次のアンケートは「はい」と答えた方に向けて、「着物を売るならどういうところ」がいいのかを聞いてみました。
結果は「買取金額を相談できる」が63%、「着物を大切に扱ってくれる」が28%、「界隈で有名なところ」が6%、「その他」が3%でした。やはり、多くの方が着物を売るときに気にしていることは「買取金額」のようです。
せっかく大事な着物を売るなら、なるべく高く買い取ってほしいですよね。私も高い金額で買い取ってほしいと思っていたので、気持ちはよく分かります。
実はこのアンケート結果を見たときに、みなさんの参考になるのではと内心嬉しく思いました。なぜかというと、私自身も買取金額を重点に置いて探していたので、このサイトで紹介している業者は高価買取を行っているところばかりだからです。
ぜひ参考にしてみてくださいね。
委託販売って何?
「委託販売」とは「手数料を支払って、第三者に商品の販売を委託、代行して販売してもらう販売形態」です。商品の所有権は出品した側が所有したまま、受諾した側が販売します。
着物販売業者に委託販売してもらうことにより、着物を求めるみなさんの目に触れやすくなり、売れやすくなるというところが大きなメリット。また、出品者と受諾した側は共に売り手側として利害を共にするため、ギリギリ売れるであろうラインの金額を相談しながら決定します。双方の話し合いによって金額が決定するため、トラブルにも発展しにくいです。それどころか、「この着物であれば帯とセット販売したほうがいい」など、プロの売れやすくするためのアドバイスを受けることもできます。
手数料もはっきりしていますので、不明瞭なところがなく安心できます。手数料を取られても、普通に買取に出すよりも利益が得られる(より高い値段で買取してもらえる)ことが多いでしょう。
買取と委託販売の違いとは?
着物を処分する方法として委託販売のほかに買取販売という方法があります。どんな方法でしょうか?
買取販売とは?お店のバイヤーが着物の価格を査定。その査定金額で出品者から着物を買取して販売する販売方法です。着物の所有権は買取した段階で出品者から買取した販売業者に移行します。
買取販売のメリットとはすぐに現金化できて、出品者は着物が売れ残るリスクを背負わずに済みます。
買取販売と委託販売どちらが良いのか?
買取販売の場合、優秀なバイヤーは出品者から少しでも安く商品を買取ろうとしますので、「出品者vsバイヤー」という構図になりやすいのがデメリットです。しかし、委託販売なら前述のとおり、双方の話し合いによって金額が決定するため、出品者側もなっとくのいく金額になるというメリットがあります。
とはいえ、買取販売業者であっても豊富な販売ルートをもつ業者であれば、良質の着物を安値で買叩くということはないので、必ずしも買取販売が良くないということではありません。しかし、そうでない限りわたしは委託販売のほうがおすすめですね。
また、おおよそタンスは寝室に近い和室にあり家の奥に位置していることが多く、買取業者をお宅に上げる場合、間取りを知られたり色んな懸念点があります。
「中々帰ってくれなかった」「怖い思いをした」という声をよく聞くので 一人暮らしの方などは気をつけて下さい。買取に来てもらうよりは持ち込みや宅配にした方が安全と思います。
ほかにこんな処分方法もあるが…
着物を処分する場合、着物買取・委託販売業者以外にも処分先はあります。どんなところがあるでしょうか?
リサイクルショップ
何でも買取してくれて、安く販売してくれる。地域密着店も多く、庶民の味方です。
○メリット
いたるところにありますので、持込が楽で、気軽に利用できます。
×デメリット
着物の価値がわかるバイヤーがいないケースが大半なので「着物は1点○円です」と、一律の買取価格で買取られてしまうのが難点。古着扱いで二束三文の場合もあります。
ネットオークション
「ヤフオク!」や「メルカリ」が代表的。「ヤフオク!」は日本最大級の規模で知られたフリマ・オークションサイトです。「フリマ」と「オークション」がありますので、希望に合うほうに出品することになります。フリマアプリとして近年話題の「メルカリ」も着物の売買が可能です。
○メリット
家に居ながらにして着物を売ることができます。オークションで競合う形になれば高値での買取が期待できるのもいいところです。
×デメリット
ネットオークションは出品者と買手の間でトラブルになる事例もあり、期限までに買手が付かないおそれもあります。(何度も仕切りなおしている出品者も多い)。また、登録の手続きなども煩雑なので、めんどうに感じる方が多いであることも難点と言えるでしょう。
フリーマーケット
広い会場でさまざまな商品を販売するフリーマーケット。規模はピンキリですが、大規模で人気のあるフリマほど出店料が高い傾向にあります。
○メリット
売手と買手の駆け引きやコミュニケーションがあるので「お店やさんごっこ」感覚で楽しく販売できます。好きな値段を付けて自由に着物を販売できます。
×デメリット
出店料などの経費や販売上の手間(包装やお釣りの準備、お金のやり取りなど)、会場への運搬、搬入・搬出の手間、時間的にも丸一日かかるなど、さまざまな負担がかかるのがデメリットです。
安い着物であったり、価格にこだわりがないのであればこれらの方法で処分するのもいいでしょう。しかし、それなりに良質な着物であれば、専門的に着物を取扱っている買取・委託販売業者で処分するのがいちばんだと思います。
着物に高値をつけるためのコツ
では、着物買取・委託販売業者で手持ちの着物をできるだけ高く買取してもらうにはどうしたらいいでしょうか?ポイント別に検証していきましょう。
必要があればきちんとしたクリーニング屋さんに出す
シミや汚れ、悪臭が付いた着物はクリーニングしてから査定してもらうほうが高く売れます。しかし、ただ安いのがウリの街場のクリーニング屋さんに出すと、かえって傷やヨレが付いてしまうこともあり、返って値が下がる原因になりかねません。
着物のクリーニングに長けたところに出すことが得策ですが、そうしたクリーニング屋さんは結構値が張ります。いくらかかるか最初に確認して判断しましょう。
さがしてでも証紙を添付する
着物の産地・種類などが記されている紙を証紙と呼びます。着物の価値を明確に示すもので、その有無は買取の査定に大きな影響が出ます。
証紙には「生地の織り元」「織物工業組合マーク」「伝統工芸品マーク」などが押印されているため、産地や生地の質、織り方がわかるもの。織物によって異ります。
さがす手間を惜しまずさがしてでも添付しましょう。最悪、領収書を添付するという手もあります。
もしどちらもなければたよりになるのじは落款。一般的には表地に入っています。印鑑のようなもので、多くは作家名ですが、染屋・工房の名前が用いられていることもあります。最悪は落款で確認してもらいましょう。
アンサンブルはセットにする
羽織と着物がアンサンブルの場合、セットにすることで値が上がります。とにかくセットになっていたものはすべてそろえて査定に出しましょう。
振袖は振袖のままのほうが良い
振袖は袖をカットして訪問着に仕立て直すことができますが、柄が切れてしまったり、切ったということが明確になりやすいもの。できればそのまま保管し、振袖のまま査定に出しましょう。
購入時のたとう紙に包む
購入したときに包まれていた、たとう紙に包んで査定に出しましょう。骨董品を鑑定してもらうとき、購入時の木箱があったほうが高値が付くのと同じ理由で高値が付きます。
相見積もりを取る
いくつかのお店に見積もりを取り、いちばん高値で買取してくれるところをさがすのもいいでしょう。ただし、結構めんどうで時間がかかるので、現金化や、引越などで処分を急いでいるときはむずかしいかもしれません。
いまは着られなくてもかつて大切にしていた着物です。以上のポイントをチェックして、少しでも高値で査定・買取をしてほしいものですね。
高値が付きやすい着物とは?
前章では「手持ちの着物をできるだけ高く買取してもらうコツ」を書きました。ここではご自分では着物を買ったり着たりなさらない方のために、そのままでも高値が付く着物についてご案内したいと思います。
着物には格がある第一礼装にあたる留袖、略式礼装にあたる訪問着、振袖、色無地、外出着にあたる付け下げ、小紋など、着物にもTPOに合わせた「格」があります。
第一礼装の着物は上等第一礼装の着物は「どんなに格式の高い場所に着て行ってもはずかしくない着物」ということになりますので、当然、質も上等なものが多いです。上質の着物は買取価格も高めになります。
順に訪問着、外出着が高値したがって、めやすとして、略式礼装にあたる訪問着、振袖、色無地、外出着にあたる付け下げ、小紋なども順に良いものと考えていいでしょう。
TPO以外の価値もある「作家もの」と呼ばれる有名小物作家の作品(とくに人間国宝の作品)、京友禅、加賀友禅など、高い技術や手間隙がかけられた染物、着物の格としては高くはないけれど、趣味の良さ、粋な風情で人気の大島紬、結城紬、黄八丈紬など、丹念に織り上げられた紬も高値になりやすいです。
以上のような着物であれば積極的に処分して良さそうです。そして正絹や上質の麻でない着物、ウールや化繊の着物は取扱不可としているショップもありますので、最初に問い合わせてみるほうが良いでしょう。
もっと着物を引継いでほしい
おすすめの着物の買取・委託販売業者5選と、着物を処分する上での知識や情報を掲載しましたが、いかがでしたでしょうか? 読んでいただいたみなさまに、少しでも参考にしていただけたら、うれしく思います。
着物は完成された衣服であり、洋服のように極端な流行りすたりがありません。しかも半ばフリーサイズにできていて、ほとんどの方が標準サイズでお直しなどもせずに、そのまま着ることができるため、非常にリユースに向いています。
全国各地のタンスに眠っている古い着物の中には、後継者問題・環境変化などの影響で産地が弱体化しつつある現代より、すぐれた染織の着物もあるはず。そんなすばらしい着物は、必要とするどなたかに引継いでいただき、着ていただくべきでしょう。
着物を売ることは恥ずかしいことではない
今回、情報を集めるために着物を着る方々にヒアリングもした結果、良質な着物をたくさんお持ちの、いわゆる富裕層の方に限って「たとえもう着ないとは言え着物を売るなんて、暮らし向きに困っているようでみっともなくてできない」という方が多くいらっしゃいました。それほほんとうに残念なことです。
時代と価値観
日本人には「中古=安い、悪い」「新品=良い」と古色蒼然とした考えが根付いている節もありますが、ヨーロッパではそのような新品神話はなく、修理や譲渡によって良いものを使い続ける循環構造社会が成立しており、この流れはもう日本にも到来しています。
着物のリユースを考えよう
どなたかが着なくなった上質な着物を、着物のすばらしさに目覚めた若い方が引継いでいくことこそ、日本文化の継承と言えるのではないでしょうか? お手元にお召しにならない着物がある方は、この機会にぜひ、着物のリユースについて考えてみていただきたいと思います。
最後に
わたしとしては着物は委託販売による処分がもっともおすすめではありますが、委託販売を引受けてくださる業者は地方にはあまりないので、その場合は着物を専門的に取扱っている買取業者を利用するのも良いかと思います。最後までお読みいただき、ありがとうございました。