着物買取の注意点|持ち込み前の準備と手続き
もう着なくなった着物を持ち込みで買取に出す際、できるだけ高値での査定額を目指すのであれば、事前の準備も怠ることはできません。すべてに同じ値段が付けられるわけではなく、着物のコンディションも見た目も大きく関わることです。
状態をできるだけベストに整えておくのと同時に、買取前にはいくつかの揃えておきたいものもあります。
着物の状態はできるだけ綺麗にしておくことも必要
一度でも袖を通した着物は、本人も気が付かないほどの些細な汚れが付着しています。買取へ出す前には、自分の目で一通り汚れやほつれはないか確認をして綺麗にしておくことが欠かせません。
特に首のあたりや腕など肌が触れる袖の部分は、皮脂や汗などの汚れが滲みやすく、メイクをした際のファンデーションなど油分の汚れが付着していることもあります。時間が長く経過するほど、そうした汚れは頑固になり、簡単に落とすことはできません。
クリーニング店へ出すこともできますが、カジュアルに着用をする洋服とは異なり費用は高めです。日頃から着物を着た後には、気になる部分の汚れは軽く落とすようにしておくこと、着用後の保管状態を良いものとしておくなどの心がけをしておきましょう。
適当に畳んでしまうと型崩れを起こしますので、丁寧な畳み方を心掛けることも大事です。保管場所は通気性の良い場所であることが重要で、その際には、たとう紙を利用します。
湿気にはとても弱いのも着物であり、お手入れをこまめにしないとカビが生えることもあります。買取に出す前には一度広げてみて、傷みやカビはないか、汚れやシミも付いていないかを確認します。もしも畳みジワが付いているなら、当て布をして温度に気をつけてアイロンをかけることで、シワをスッキリさせることが可能です。
着付け用品や帯に和装小物は揃っていますか
素敵な和装着用の際には様々な小物も使いますが、買取へ出すなら一通りの付属品も一緒にまとめて売ることです。専門店では着物本体のみを買取しているわけではなく、和装に関わるあらゆる物を査定の対象としています。必ず使う帯もそうですが、艶やかなかんざしや和物のバッグ、暑い日には重宝をする扇子に、足元を飾る草履などもそうです。
女性用ばかりがスポットを集めやすいですが、子供用や男性用の着物や和装小物類も売ることができます。 シンプルに着こなすことのできる洋服とは異なり、着付けには実に様々な物を使用するため、手元に置くよりは一緒に売ってしまうことです。
綺麗に衿を立たせる役割を持つ衿芯や、帯の下に締める着くずれ防止対策の伊達巻、帯の形をしっかりと固定する帯締めに、お太鼓結びの際に使用する帯揚げなども買取対象となるお店もあります。 細かい着付け用品がありますが、それぞれの1点ごとで売りに出すと値が付かないこともありますので、まとめて売ることが総額を上げるポイントです。
それぞれのお店で何が買取可能な品目となっているか違いがあり、取り扱いの範囲はどこまでか、自分の売りたい小物はOKなのかを確認しましょう。 成人式で着用をするような豪華な振袖だけではなく、婚礼用のフォーマルなタイプや浴衣なども買い取ってもらえます。
価値を決定するほど大事な証紙の準備も必要
売る準備は着物だけでいいと考えがちですが、対象の価値を左右するほど重要な証紙もあるに越したことはありません。もちろんどうしても証紙が見つからない場合や、買った時には既になかったなどの理由であれば仕方のないことです。
ですがきちんとした着物を購入した場合、証紙は必ずついてきます。高い価値があることと品質の良さを、その書面により証明することができるためです。実は深い意味を持つ書面であり、プロの鑑定士は査定時に必ず確認を行います。 高い買取値ということは、その市場での中古での需要もそれだけ高いということです。
しかし本来は質の良い着物であろうとも、その証明をできるものがなければ厳しくなります。本物であることの証明をする手段は、品質保証書がカギを握っていますので、買取に出す前に探しておきましょう。
また買取時の手続きには、本人証明書の持参も必要になります。いくつかの種類の中から1点は用意しておきますが、顔写真入りのものは特に良いです。自動車の運転免許証や日本国パスポート、顔写真がなくても健康保険証などでも構いません。
利用をするお店により対応可能な本人証明書の種類があるため、事前に何が必要になるか確認をしましょう。申込者本人の現住所が記載されていることも必要ですので、引越しをした人は住所変更後の住所のある証明書も用意します。
着物の買取で高額査定を目指すなら、可能な限りベストコンディションに整えておくことが大切です。洗濯機で洗う必要はありませんが、落とせる汚れは落としておくこと、また、一緒に出せる着付け用品や帯に和装小物などがないか一度確認してみましょう。手続きに必要な本人証明書の持参も忘れないことです。