帯だけでも買ってくれるの?着物とセットじゃないと値は下がる!?
家族が着ていた着物が意外なお金になるというのは決して夢物語ではなく、それによってお小遣いや家計の助けになるということが少なからずあります。不要な着物があれば、積極的に査定に出したいところです。
しかし、ここで問題となるのが、肝心の着物本体がなく帯だけが残っているという場合です。
帯だけでも買取ってもらうことは可能!
この場合もっとも重要なのは、帯だけで買取をおこなってくれる業者が存在するかどうかということです。着物と言えば身体に身につける部分がメインなため、多くの人にとっては不安に思われるはずです。
結論から申し上げますと、たとえ帯だけであったとしてもほとんどの業者は買取を受け付けてくれます。その理由のひとつとしては、帯そのものの工芸品として、そして芸術品としての価値が非常に高いということが挙げられます。
帯というのは着物といっしょでそのすべてが決して手抜きで作られたものではなく、中には高名な職人が天塩にかけて生み出したものも存在しているのです。そうした苦労と努力の結晶である帯は、高い価格で買取られてしかるべきと言えるでしょう。
もうひとつの理由は、この逆で着物はあるけど帯がない、だから別に買い求めたいという需要が少なからずあるからです。帯というのは皆さんが思われている以上に欲しがっている方がたくさんいます。「帯だけではどこの店からも相手にされない」ということはないのです。
高値で買取られやすい帯の種類
とは言え、着物と同様帯の品質にもその良し悪しがあり、それによって価格は大きく変動します。ここではコレクターなどからとくに人気の高い帯の種類について解説していきましょう。
★名古屋帯
いわゆる「名古屋仕立て」とも呼ばれるものであり、荘厳な祝いごとには少々向いていませんが、比較的重くないイベントやプライベートなどさまざまな場で身につけても失礼にあたらない帯のひとつで、名古屋でそのスタイルが考案されたことが名前の由来となっています。
格調高いながらも決して型張りすぎないその佇まいに多くの職人が心惹かれ、結城や越後、西陣といったさまざまなブランドのものが出回り取引されているのです。
★袋帯
現代においても広く用いられている様式の帯で、シンプルで扱いやすく軽量なことから高い人気を誇っています。その扱いやすさに似合わず格調高いとされており、さまざまな式典や祝いごとにも利用できるというのが強みです。
この袋帯もさまざまな職人によって愛されており、非常にたくさんの種類が高値で取引されています。
★丸帯
江戸時代にもっとも高い人気を誇り、現在でも祝いごとや舞妓、芸子の衣装に用いられるきわめてグレードの高いものが、丸帯です。袋帯とは異なり表裏両方に柄が入り、その手の込用と美しさが現代でも知識共用のある方に愛され続けている理由です。
帯を買取ってもらう際の注意点
帯を買取ってもらう場合にも、着物同様いくつか注意しておきたいポイントが存在しています。
★買取ってもらえない場合も少なからずある
着物だけの場合もそうなのですが、せっかく依頼をしたのに買取ってもらえないということもしばしばあります。たとえば帯自体にそれほど価値が見られなかったり、あるいは業者がその帯の価値を知らなかったりといったような場合です。
しかし、ある業者では満足な価格で買取してもらえなかったとしても、また別の業者にはかなりよい査定価格を提示してもらえたということもあり得ます。ですので、帯の見積もり依頼は複数の業者に対して行うようにしましょう。
★できれば着物とセットで
帯単体しかないのであれば仕方がないことではありますが、できれば本来いっしょになっている着物とセットで売りに出したいところです。実は、帯というのは着物といっしょに買取依頼に出すことによって、それぞれ別に売却するよりもやや高い値がつくことがあるのです。
帯をすでに買取ってもらった後で着物が見つかり「しまった!」と後悔してしまうことのないよう、業者へ依頼する前にもう一度着物がどこかにないか、探してみることをおすすめいたします。
★「証紙」も忘れずに
もうひとつ、これは着物にも言えることですが、買取依頼を行う際はできる限り「証紙」を添付するようにしてください。これはその帯の形を公的に証明するためのもので、これの有無によって価値が大きく変動することもあります。
紙であるため残されている可能性はそう高くはないのですが、帯が丁寧に管理されていたのであれば証紙もどこかに保存されているかもしれません。
着物というとどうしても身につける衣類の部分をイメージしてしまいがちなので、帯の方はないがしらにしてしまうことも少なくありません。しかし、たかが帯されど帯、時には思わぬ値段がつくこともあるのです。帯だけかと邪険にせず、一度は査定に出してみましょう。