着なくなった振袖はどうしてる?振袖にも種類があるの?
着物の中でもひときわ高級品として扱われることの多いのが「振袖」です。江戸時代においても一段グレードの高い着物として扱われていた振袖は、現代においても衰えるどころかより一層の価値が見出だされるようになっています。
しかし、そんな振袖を着なくなってしまった、あるいは着る人がいない場合はどうすればいいのでしょうか。
着なくなった振袖の扱いについて
現代は洋服を着ることが主流となっていますから、日常生活において着物を着る機会が少なくなっています。ましてや、利便性がそれほど高くない振袖に関してはなおさらです。そのようにして振袖をあまり着なくなってしまった場合の状況と取るべき手段について考えていきましょう。
★長期的な保管は相応の負担がかかる
振袖を誰も着ない場合、考えられる手段のひとつとしては、ひとまず保管を維持するということです。しかしこの方法、ふつうの洋服で同じことをするのと比べると、かなりの負担と手間がかかります。
着物というのはとても繊細なもので、環境の変化に非常に弱いです。少し高めの湿気がある空間に放置しているだけでも、色の変化やカビの発生などの原因になり得ます。加えて高級な着物に使われている繊維は虫にとってとてもおいしい食べものなので防虫対策を徹底しておかなければなりません。
とくにとても慎重なバランスの上に成り立っている振袖は、着物の中でもひときわ厳しい管理体制が要求されます。
★積極的な着用はどうしても品質劣化につながる
中には「せっかくだから着てみよう」と思われる方もおられるかもしれませんが、これもなかなか難しいです。まず振袖というのは着ること自体に一定の技術を要するものも少なくはなく、おでかけの際に気軽に着用、というわけにはなかなかいきません。
また、これは振袖のみならずすべての衣類に言えることですが、使えば使うだけ、基本的には外気に触れて劣化していきます。品質を保ちたいのであれば、あまり着用しない方がよいでしょう。
★業者への買取依頼が無難
こうした点を考慮すれば、なるべく早めに業者へ買取を依頼するのが有効な選択と言えます。
幸い、現在は数多くの業者がネット上にて振袖の買取を受け付けています。買取依頼を出すこと自体はとても簡単です。
振袖の種類について
振袖にはさまざまな種類があり、その特徴に関しても多種多様です。
★大振袖
振袖と言えば高級品というイメージが強いですが、その中でもひときわ高い格を持っているのが、この「大振袖」です。
その大きな特徴は114cm前後にもなる袖丈であり、「5つ紋」のように家に伝わる家紋が入ったものは、その家にもよりますがとくに格が高くなっています。
デザインもさまざまでいわゆる「色無地」風のものから豪華な彩色が施されたものまで、とてもバリエーション豊富です。
★中振袖
大振袖ほどではないにせよ、一般的な着物にはない格の高さを誇るのが「中振袖」です。中振袖の袖丈は100cm前後と大振袖のそれと比べると少々短いですが、たとえば成人式の晴れ着や披露宴への参加など、ある程度の礼式が求められる場と相性がよいとされています。
★小振袖
振袖の中でいちばん格が低いとされているのが、「小振袖」です。格が低いとはいえ、やはりそのほかの着物と比べると質は高く、礼儀的にも問題ないと見なされる場合が多くなっています。小振袖の袖丈は中振袖よりもさらに短くなっているため、振袖の中では取り回しがしやすい方です。
現代ではたとえば、卒業式など若い人が門出のイベントの際によく着用されます。振袖の中では比較的コストパフォーマンスがよく、それほど予算のない人であっても入手がしやすいでしょう。
振袖を買い取ってくれる業者の選び方
振袖の買取をおこなってくれる業者というのは多く存在していますが、その質はかなり差があるため、慎重に選ぶ必要があります。
たとえば、ほかと比較して公開されている査定額が低い、あるいは査定の事例が載っていないというようなところはなるべく避けた方がよいでしょう。そういった業者は着物に関する知識がほかより不足している可能性があります。そのようなところで買取依頼をすれば、最悪数万円規模の損を被ってしまうおそれもないとは言えません。
それを防ぐための有効な手段として、口コミがあります。過去にその業者を利用したからの意見を直接見ることができれば、セレクトに関してかなり大きな助けとなってくれるでしょう。それに加えて、複数の業者に対して見積依頼を出してみるといったことも非常に重要です。
振袖にはさまざまな種類がありますが、いずれも高い価格でも買取が期待できます。劣化や不当な査定によって損をしてしまわないよう、保管や買取依頼に関しては慎重におこなうようにしてください。こうした点に気を付ければ、かなりの買取金額が手に入る可能性もありうるでしょう。