使わなくなった和装小物はどうしてる?損しない処分方法は?
着物の役目は江戸時代や明治時代と変わり、それほど日常的に着用されるものでもなくなりました。そのため、買取などに出される方も少なくありません。とくに扱いに困ってしまいがちなのが、着物と合わせて使ういわゆる「和装小物」と呼ばれるアクセサリーです。これらはどのようにして処分すればよいのでしょうか。
和装小物の種類
そもそも着物は知っていても、和装小物はよく知らないという方も多いでしょう。まずはこの記事にて和装小物の種類について解説しますので、誤って捨てたりしないようにしてください。
★半衿(はんえり)
襦袢の衿に縫いつけることによって身につける長い衿のような小物で、主に綿や絹などのやわらかいもので作られています。
この小物の役目は汗や埃などのさまざまな汚れから着物の衿を守るといったものであり、かなり実用的ではありながらもデザイン性は高く、刺繍などが施されているものも多いです。
★帯留め
着物に巻いた帯がズレたり形くずれを起こさないよう固定するための小物であり、現代でいうネクタイピンに近いと言えるでしょう。材質は木製から宝石、金属などさまざまなものがあります。
役割だけを見るとかなりシンプルな小物ではありますが、材質のみならずデザインも多種多様であり、好事家からも人気のあるアイテムです。
★その他の和装小物
上記ふたつ以外にも、実にさまざまな和装小物が存在しています。たとえば身につけた帯の結び目がほどけてしまわないようにするための「帯締め」や、帯を締める際に加えた帯枕などをうまく隠すための「帯揚げ」に、着物の崩れを防ぎつつ色どりを加えてくれる「伊達締め」や「腰ひも」など、実にさまざまです。
その他、「草履」や「バッグ」といった着物のオプションとして身につけるもの、「肌襦袢」や「裾除け」といった下着的なものも小物とみなされる場合があります。
和装小物の処分方法
これら和装小物が不要になり、処分したいと考えた場合、どのような方法が考えられるか検証していきましょう。
★そのまま捨てる
もっとも手っ取り早いのが、ゴミの日に処分してしまうという方法です。この方法であれば処分のためのお金がかからないため、経済的にもリーズナブルですし、誰でも簡単におこなえるでしょう。
しかし、この方法にはふたつの問題があります。まずひとつめが「分別」の問題です。たとえば帯締めや伊達締めなどは繊維であるため「古布」の回収日に出さなければなりません。その一方で帯留めなど金属で作られた小物は燃えないゴミの日に出す必要があります。これを間違えると自治体は持って行ってくれません。
もうひとつの問題が「果たして本当に捨ててしまってもよいのか」ということです。和装小物が見るに堪えないほどボロボロであれば仕方がないのですが、そうでなくまだ使えそうなものがある場合は、別の方法を選択された方がよいでしょう。
★清掃業者に回収を依頼
いらない和装小物があまりにもたくさんある場合は、清掃業者に依頼するのも有効です。ゴミの日に出せないほど大量の小物であっても、清掃業者ならば他のゴミといっしょにスムーズに持って行ってくれます。
しかし、この方法のデメリットはいくらか費用がかかってしまうことです。ものが多ければ多いほど料金は高くなり、場合によっては数万円ほどにもなってしまいます。コストパフォーマンス的にはそれほどよい方法とは言えないかもしれません。
★買取業者に依頼する
コストパフォーマンス的にもっともよいのが、着物や小物の買取をおこなっている業者に査定依頼をお願いするという方法です。いくらかの価格で買取ってもらうことができれば無料で不要な小物を処分することができるだけでなく、ちょっとしたお小遣いになる可能性もあります。
また、もし値段がつかなかったとしても、業者によっては無料で引き取りをおこなってくれる場合もあるので、大きな費用がかかることもありません。
和装小物を買取ってもらう際の注意点
買取業者に和装小物の査定を依頼する場合には、「業者の信頼性」をよくチェックしておくことをおすすめいたします。業者によってはこちらが何も知らないのをいいことに高価な品をただ同然の価格で引き取り、不当に利益を得ようとすることもあります。
このようなことで損をしてしまわないために、複数の業者へ見積もりを出すこと。そして事前にネット上などの口コミをチェックしておくことをおすすめいたします。それに加え、どのような小物をどれぐらいの価格で買取ったかといったような事例が公開されているかどうかも確認しておきましょう。
着物はなくとも小物がたくさんあるといった家庭は意外と少なくありません。ひょっとするとその中に、かなり高価な逸品が眠っている可能性もゼロとは言えないのです。無下に捨ててしまったりせず、しっかりと保管しておくことがおすすめです。